社会福祉士とは?年収や就職先、国家試験の受験資格や難易度をわかりやすく解説!
目次
- 社会福祉士とは?
- 社会福祉士の仕事内容
- 社会福祉士になるのは難しい?試験の合格率は?
- 社会福祉士の就職先
- 社会福祉士と関連する資格は?
- 社会福祉士の年収
- 社会福祉士になるには?受験ルートを解説
- 社会福祉士の需要は低い?将来性はある?
- 社会福祉士試験の概要
- まとめ
さっそく問題を解く
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介護・福祉系の資格の中でも難易度が高いといわれる社会福祉士。
実務ではどのような仕事をして、年収はどれくらいで、今後も需要は見込めるのかなど、意外と知らないことも多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、社会福祉士の仕事内容、年収、就職先、需要に加え、国家試験の試験概要や難易度についてもわかりやすく解説していきます。
福祉業界で就職、または転職したい、福祉系の職種を目指して進学したい、社会福祉士の実態が知りたいという方は、本記事が次のステップへすすむきっかけとなるでしょう。
社会福祉士とは?
社会福祉士とは、主に心身に障害がある方・ひとり親の家庭・高齢者・虐待を受けている子どもなど、日常生活に支障がある方々の相談や助言、支援を行うことを専門としている職業です。
社会福祉士が相談を受けたり支援したりする対象は広いため、働く場所も介護施設、教育機関、医療機関、行政機関などさまざまです。
また、社会福祉士の資格を有して働く人を「ソーシャルワーカー」と呼ぶこともあります。
※社会福祉士及び介護福祉士法の第2条には「社会福祉士」の定義として以下のように定められています。
専門的知識及び技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があること、または環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連携及び調整その他の援助を行うことを業とする者 |
社会福祉士は「名称独占」の国家資格で、社会福祉士の国家資格を保有している人でなければ社会福祉士を名乗ることができません。
社会福祉士になるには、一定の受験資格を満たして社会福祉士国家試験に合格し、所定の登録を受ける必要があります。
社会生活に支障があり困っている人の相談を聞いて、解決のための提案をしていきたい、社会を良くしたいという意思を持つ方に向いている職業だといえます。
では、社会福祉士の仕事内容についてさらに詳しくみていきましょう。
社会福祉士の仕事内容
社会福祉士の主な仕事内容は大きく分けて以下の3つあります。
●相談・援助業務 日常生活に支障がある人やその家族の悩みや問題を聞き出し、最適な解決策を導きだし、より良い生活や社会的な自立のための援助を行います。 ●連携業務 相談者の悩みや問題に対して自分だけでは解決できない場合は、最適な相談先やサービスを提案し、連携する業務を行います。 ●管理業務 相談者ごとの相談内容や支援計画の管理、相談内容ごとの連携先の管理などを行います。 |
日常生活・社会生活を送ることに支障がある人、その家族や関係者とコミュニケーションを取り、状況・悩み・希望に応じて最適な相談先やサービスに連携して、問題の解決や生活の自立を援助していきます。
対象とする分野は非常に幅広く、社会福祉士の就職先として挙げられる分類は以下の通りです。
社会福祉士が取り扱う分野 ●高齢者福祉関係 ●障害者福祉関係 ●児童・母子福祉関係 ●生活保護関係 ●地域福祉関係 ●生活困窮者自立支援関係 ●医療関係 ●学校教育関係 ●就業支援関係 ●司法関係 ●行政 |
社会福祉士の資格は「業務独占」ではないため、社会福祉士の資格を持っていなくとも上記の仕事は行えます。
ただし、資格保有者しか社会福祉士を名乗れないという「名称独占」の資格です。 社会福祉に関して専門的な知識を保有しているということを証明でき、高齢化や障害者人口の増加がみられる中で、取得して損はない資格だといえるでしょう。
社会福祉士になるのは難しい?試験の合格率は?
社会福祉士試験の合格率は、30〜40%を推移しており、国家試験のなかでは難易度は普通程度だといえます。
国家資格には、受験資格がないものもあれば、細かく定められているものもあるため、合格率で一概に難易度の高さを決めることはできません。
しかし参考として、資格の難易度を偏差値で比較している資格の取り方によると、難易度は「宅地建物取引士」と同程度だとされています。
宅建士は、不動産取引の専門家で、独占業務もあり一般的には「難しい」と分類される国家資格であるため、社会福祉士も難易度が高いと考えられます。 また、弊社が社会福祉士国家試験合格者に対して行なったアンケートの結果によると、67%の方が一発合格、2回目合格は18%という結果でした。
大半の方が1回目の受験で合格していますが、2回目合格の方も18%いるため、油断はできないという印象です。
社会福祉士の就職先
上述の通り、社会福祉士が専門とする分野は広いため、就職先も多岐にわたります。
その中でも、高齢者福祉関係、障害者福祉関係、医療関係の施設や病院に勤務している人が多いようです。
参考:社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉就労状況調査(令和2年度)結果報告書(p.9)
令和2年度の公益財団法人社会福祉振興・試験センターの調査によると、社会福祉士の就労先の分類では「高齢者福祉関係」が39.3%と最も多く、施設・事業所別では「病院・診療所」が14.4%、「介護老人福祉施設」が10.0%、「障害者支援施設」が8.0%の順で高いという結果でした。
また、就労先での職種は「相談員」が13.3%で最も多く、次いで「介護支援相談員(ケアマネージャー)」が11.4%、「医療ソーシャルワーカー」が10.0%となっています。
それぞれの就職先について、詳しくみていきましょう。
高齢者福祉関係
①介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
原則65歳以上の要介護3〜5の認定を受けた方が対象で、要介護度が高い方や緊急度が高い方が比較的多い施設です。
参考:介護老人福祉施設|厚生労働省、大田区指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)入所指針|大田区
②居宅介護支援事業所
要介護1以上の認定を受けた方が対象。利用者が自宅で適切な介護サービスを受けられるように支援する事業所です。
③地域包括センター
市町村が主体となり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等を配置して包括的なアプローチで住民の健康保持・生活の安定のために必要な援助を行う施設です。
医療や司法などさまざまな職種やサービスとも連携した包括的な支援を行います。
④介護老人保健施設(老人保健施設)
原則65歳以上の要介護1以上の認定を受けた方が対象です。
看護・介護ケアに加えて、作業療法士や理学療法士などによるリハビリテーションや日常生活の活動支援を行い、高齢者の自立を目指します。
⑤居宅サービス事業所
介護を必要とする方が適切に介護サービスを利用できるよう、相談を受け、ケアプランを作成、支援する相談窓口です。
医療関係
医療関係で従事する社会福祉士の中では、病院や診療所で医療ソーシャルワーカーとして従事する人が6割以上を占めます。
医療ソーシャルワーカーは、療養中の心理的・社会的問題の相談、退院・社会復帰援助、経済的問題の解決などに関して適切なサービスや相談先と連携して、支援する職種です。
参考:医療ソーシャルワーカーの業務内容|公益財産法人 日本医療ソーシャルワーカー協会
障害者福祉関係
①障害者支援施設
施設を利用する障害者に対し、生活介護や自立訓練、就労移行支援などを行う施設です。
生活指導員として、日常生活支援や身体機能、生活能力の向上支援を行ったり、就労のための他施設との連携や支援を行ったりします。
②相談支援事業所
障害者の日常生活や社会生活での困りごとに対して幅広く対応する窓口です。
相談を受け、適切な支援やサービスを受けられるよう関係機関との連携や提案を行います。
③就労支援事業所
障害のある方へ一般企業への就職に必要な知識やスキル向上のための支援をしたり、一般企業への就職が困難な方を対象に働く機会を提供したりする事業所です。
社会福祉士は、利用者一人一人の状態や希望に沿って最適な提案を行います。
地域福祉関係
①市区町村社会福祉協議会
高齢者や障害者の在宅生活を支援するために、訪問介護や配色サービスなどの様々な福祉サービスを行なっていたり、それぞれの社会福祉協議会がサロン活動などの独自の事業を行ったりする機関です。
教育機関や地域のボランティアなどとも連携して、利用者に最適な提案や支援を行います。
②福祉事務所
援護を必要とする高齢者や身体障害者・知的障害者、虐待のおそれがある児童や低所得者などに対する援護や家庭訪問による実態の把握、保護措置の必要性やその種類の判断などを行う、行政が設置する事務所です。
児童・母子福祉関係
①障害児施設・乳児院・児童養護施設・母子生活支援施設
支援が必要な児童や母子が入所・利用する施設です。
障害児施設:障害のある児童の支援や生活指導を行う
児童養護施設:保護者がいない児童や虐待されている児童が生活する
乳児院:何らかの理由で家族と生活できない乳幼児を保護する
母子生活支援施設:母子家庭の心身と生活の安定のために相談や援助を行う
②児童相談所
18歳未満の子供に関する相談や通告についての相談を受け付け、援助や専門機関との連携を行う施設です。
状況に応じて施設への入所や里親制度の利用などを提案します。
参考:児童相談所とは|東京都福祉局 東京都児童センター・児童相談所
行政機関
主に市役所や町村役場において、相談員や事務職員として従事している人が多いようです。
学校教育関係
小学校、中学校、高等学校、大学・短大等において、主にスクールソーシャルワーカー(SSW)として従事します。
SSWは、心の問題・家庭や生活環境の問題を抱えた生徒・児童をとりまく環境に対して各種機関と連携しながら働きかけを行い、教育現場や家庭環境の安心・安全を目指して支援していく職種です。
参考:スクールソーシャルワーカーの役割。児童・生徒の問題解決に必要なこととは|日本教育新聞
その他
その他、社会福祉士が活躍する場所は多岐にわたります。
<就業支援関係>
ハローワーク、障害者職業センターなど
<司法関係>
矯正施設(少年院、少年鑑別所など)、保護観察所、更生保護施設など
<生活保護・生活困窮者自立支援関係>
ひきこもり地域支援センター、保護施設など
このように、専門分野としてカバーする範囲が広いからこそ、社会福祉士の就職先は多岐にわたります。
社会福祉士と関連する資格は?
介護福祉士
介護福祉士は、介護に関する唯一の国家資格で、専門的な知識とスキルを有していることを証明します。
おもに特別養護老人ホーム、身体障害者施設等の介護職員として実際に介護業務に従事し、利用者の相談や介護スタッフの技術指導なども行います。
参考記事 介護福祉士の仕事内容や年収は?資格の取得方法や難易度、介護士との違いを解説
介護支援専門員(ケアマネージャー)
介護保険を利用しようとする高齢者やその家族の状況や希望に合わせて、適切に介護保険サービスを受けるためのケアプランを作成し、関係機関との連携や調整を行います。
参考記事 生活相談員とケアマネの違いは?仕事内容・給料の違いやキャリアアップのコツを解説|学研ココファン
精神保険福祉士
精神的な障害のある方の生活支援に関する専門的な知識やスキルを有することを証明する資格です。
精神科医療機関や精神障害者社会復帰施設にて相談や援助業務、生活支援、関連機関への連携などを行います。
訪問介護員(ホームヘルパー)
介護保健方にもとづく訪問介護を提供する専門職で、介護福祉士の資格を持つものまたは国が定めた研修を修了した者が行うことができます。
参考:訪問介護員(ホームヘルパー)|社会福祉法人 全国社会福祉協議会
相談支援専門員
障害者総合支援法に基づく資格で、障害のある方が適切に福祉サービスを利用し、自立した日常生活・社会生活を送れるように相談・支援・関係機関への連携を行います。
児童相談員
児童心理司と児童福祉司に分かれ、自治体が設置する児童相談所には「児童福祉司」を配置しなければならないと定められています。
児童心理司は児童との面接や心理検査などにより心や発達の状態、生活能力などの調査・診断を行い、児童福祉司は児童や保護者との面接や家庭訪問により家庭環境の問題を調査します。
公益財団法人社会福祉振興・試験センターの調査によると、社会福祉士の資格を保有する人の中で37.6%が介護支援専門員(ケアマネージャー)、30.7%が介護福祉士の資格を保有しているなど、他の関連資格を保有しているという結果でした。
その他、精神保健福祉士や訪問介護員の資格を保有している割合も20%を超えています。
詳しくは以下のグラフをご参考ください。
社会福祉士の年収
公益財団法人社会福祉振興・試験センターの調査結果によると、社会福祉士の平均年収は403万円で、平成27年度に行われた前回調査と比較すると26万円増加しています。
男女別では、男性の平均年収は473万円、女性の平均年収は365万円でした。
同調査によると、介護福祉士の平均年収は292万円、精神保険福祉士の平均年収は404万円でした。
介護業界の中で唯一の国家資格である介護福祉士と比較して、平均年収が100万円以上高いことを考慮すると、社会福祉士は福祉業界のなかでも年収が高い資格だといえます。
参考:社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査(令和2年度)結果報告書|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
社会福祉士になるには?受験ルートを解説
社会福祉士になるための受験ルートは、全部で12種類あります。
上記の12ルートは以下の3つに分類できます。
1, 養成施設なしで受験できる 2, 短期養成施設等に6ヶ月以上通う必要がある 3, 一般養成施設等に1年以上通う必要がある |
社会福祉士の受験資格の規定は少し複雑ですので、上記の3つに分けてわかりやすく解説していきます。
1.養成施設なしで受験できる人
養成施設に通うことなく、社会福祉試験の受験資格をすでに有している人は以下の通りです。
●4年制福祉系大学等を卒業+指定科目履修 ●3年制福祉系短大等を卒業+指定科目履修+相談援助実務1年 ●2年制福祉系短大等を卒業+指定科目履修+相談援助実務2年 |
福祉系大学等(4年):指定科目または基礎科目を履修できる大学等
福祉系短大等(3年):指定科目または基礎科目を履修できる3年制短期大学等
福祉系短大等(2年):指定科目または基礎科目を履修できる2年制短期大学等
相談援助実務:児童福祉司、児童心理司、ケアマネージャー、精神保健福祉士など
つまり、4年制の福祉系大学にて指定科目を履修し、卒業した方は、実務経験がなくともすぐに受験資格を得ることができます。
2年または3年の福祉系短大等で指定科目を履修した場合は、2年間または1年間の相談援助実務経験を得ることで国家試験の受験が可能です。
2.短期養成施設等に6ヶ月以上通う必要がある人
短期養成施設等に6ヶ月以上通った後、受験資格を得られる人は以下の通りです。
4年制福祉系大学等を卒業+基礎科目履修3年制福祉系短大等を卒業+基礎科目履修+相談援助実務1年2年制福祉系短大等を卒業+基礎科目履修+相談援助実務2年社会福祉主事養成機関+相談援助実務2年児童福祉司、身体障害者福祉司、査察指導員、知的障害者福祉士、老人福祉指導主事実務4年 |
1.養成施設なしで受験できる人における「指定科目」ではなく「基礎科目」のみ履修していた人は、短期養成施設等に6ヶ月以上通わなければ受験資格を得られません。
また、上記の社会福祉主事養成機関を経て相談援助実務を2年積んだ場合や、上記5種類の職種を4年間実務で経験した人も、同様の課程を経る必要があります。
短期養成施設等とは 令和5年4月1日現在では、北海道、宮城、栃木、群馬、福島、東京、神奈川、新潟、愛知、京都、大阪、兵庫、香川の13都道府県に15校あります。 詳しくは以下をご確認ください。 短期養成施設|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター |
社会福祉主事養成機関とは 社会福祉主事は、各自治体に設置される福祉事務所や児童相談所に従事する公務員として任用される際に必要な資格です。任用資格とは、主に公務員が特定の専門職に就くために国が定める基準のことです。 社会福祉主事養成機関には、昼間課程・夜間課程の修業年限2年以上の学校が指定されているほか、1年間の通信課程のものもあります。 令和5年4月1日現在で16都道府県(北海道、宮城、福島、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、静岡、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡、沖縄)に計28校あります。 詳しくは以下をご確認ください。 社会福祉主事養成機関一覧|独立行政法人 福祉医療機構 |
3.一般養成施設等に1年以上通う必要がある
一般養成施設等に1年以上通った後、受験資格を得られる人は以下の通りです。
●4年制一般大学等を卒業 ●3年制一般短大等を卒業+相談援助実務1年 ●2年制一般短大等を卒業+相談援助実務2年 ●相談援助実務4年 |
一般大学等(4年):大学、大学院、修業年限4年以上の専修学校など
一般短大等(3年):3年制短期大学、高等学校(修業年限3年以上の専攻科)など
一般短大等(2年):短期大学、高等専門学校、高等学校(修業年限2年以上の専攻科)など
特に福祉系の指定科目や基礎科目を履修していない一般大学や短大を卒業した人、相談援助実務を4年経験した人で、上記の条件を満たす場合は一般養成施設等に1年以上通うことで、社会福祉士試験の受験資格を得られます。
一般養成施設等とは 令和5年4月1日現在では、30都道府県に76校あります。 詳しくは以下をご確認ください。 一般養成施設|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター |
社会福祉士の需要は低い?将来性はある?
結論、社会福祉士の需要は高く、今後も高水準が維持されることが予測されます。
なぜなら、少子高齢化や、障害者人口の増加、児童の虐待件数の増加など、社会福祉士の支援を必要とする方の増加がデータとして出ているためです。
また、社会福祉士は高齢者や障害者などに限定するわけではなく、社会福祉全体の分野を網羅できる資格であるため、異なる分野での転職なども難しくないことから、当分需要は衰えないと考えられます。
社会福祉士試験の概要
社会福祉士試験の概要について詳しくみていきましょう。
社会福祉士試験の概要
試験日 | 2月第一日曜日 |
試験会場 | 24試験地 (北海道、青森県、岩手県、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県) |
試験時間 | 午前 10:00~12:15(135分) 午後 13:45~15:30(105分) 総試験時間240分 |
受験資格 | ●福祉系大学等(4年) →「指定科目履修」または「基礎科目履修+短期養成施設等(6ヶ月以上)」 ●福祉系短大等(3年) →「指定科目履修+相談援助実務1年」または「基礎科目履修+相談援助実務1年+短期養成施設等(6ヶ月以上)」 ●福祉系短大等(2年) →「指定科目履修+相談援助実務2年」または「基礎科目履修+相談援助実務2年+短期養成施設等(6ヶ月以上)」 その他、一般大学・短大等、福祉系資格での実務経験、社会福祉主事養成機関などを経るものもあり →詳しくは社会福祉士になるには?受験ルートを解説 |
受験申込期間 | 9月上旬から10月上旬 |
受験申込方法 | 郵送またはインターネット 受験申し込み手続き|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター |
受験手数料 | 19,370円 |
試験形式 | 筆記形式(多肢択一、選択式) |
出題数 | 150問 |
配点 | 1問1点 |
合格基準 | 総得点の60%程度を基準として、実施試験の難易度で補正した点数以上の得点(90点前後) |
合格発表日 | 3月上旬 |
社会福祉士試験の出題範囲・内容
社会福祉士試験では、19科目、全150問から構成されます。そのうち11科目は社会福祉士と精神保健福祉士共通科目、8科目は社会福祉士専門科目です。
各科目7問〜10問程度出題され、配点は1問1点の150点満点です。
社会福祉士・精神保健福祉士共通科目 | |
人体の構造と機能及び疾病 身体・精神の成長発達・老化、心身機能・身体構造、ICF、疾病・障害、リハビリテーション など | 7問 |
心理学理論と心理的支援 人の心理的理解、成長発達と心理、日常生活と心の健康、心理的支援の方法 | 7問 |
社会理論と社会システム 現代社会と法・経済、人口、地域社会、家族や生活の概念・考え方、社会関係、社会問題、具体的な社会問題(差別、貧困、失業、犯罪、ハラスメントなど) など | 7問 |
現代社会と福祉 福祉制度・政策の概念、福祉制度の発達過程、福祉政策の課題、関連政策 など | 10問 |
地域福祉の理論と方法 地域福祉の考え方(地域包括ケアなど)、行政組織と民間組織(地方自治体、社会福祉法人、ボランティアなど)の役割、福祉ニーズの把握方法、福祉サービスの評価方法 など | 10問 |
福祉行財政と福祉計画 自治体の役割、行政組織・団体(福祉事務所、児童相談所、地域包括センターなど)、福祉計画の方法・実際 など | 7問 |
社会保障 社会保障の概念・役割・対象・発達、年金・医療・介護・労災・雇用保険制度、年金・医療保険制度の具体的内容 など | 7問 |
障害者に対する支援と障害者自立支援制度 障害者総合支援法、障害者支援における国・自治体・事業者等の役割、障害者支援における専門職の役割、関連法(身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、児童福祉法など) など | 7問 |
低所得者に対する支援と生活保護制度 低所得者層の生活実態、生活保護法、生活保護制度における国・自治体・ハローワークの役割、福祉事務所、自立支援プログラム、低所得者対策 など | 7問 |
保健医療サービス 医療保険制度、診療報酬、医療施設、専門職(医師、保健師、看護師、作業療法士、理学療法士など)の役割、保健医療サービスとの連携 | 7問 |
権利擁護と成年後見制度 相談援助活動と法律問題(契約、自己破産、消費者被害など)、成年後見制度、日常生活自立支援事業、権利擁護に係る組織・団体(家庭裁判所、法務局、弁護士、社会福祉士など)なの役割 など | 7問 |
社会福祉士専門科目 | |
社会調査の基礎 量的調査・質的調査の方法・集計・分析、社会調査の実施におけるITの活用 | 7問 |
相談援助の基盤と専門職 社会福祉士の役割、社会福祉士及び介護福祉士法、精神保健福祉士法、相談援助の概念と範囲、包括的援助の意義と内容 | 7問 |
相談援助の理論と方法 システム理論、さまざまな実践モデル(治療モデル、生活モデルなど)とアプローチ(心理社会的アプローチ、機能的アプローチなど)の効果、相談援助の方法・過程、面接技術、アウトリーチ、ケアマネジメント、スーパービジョン、記録・分析の方法 など | 19問 |
福祉サービスの組織と経営 福祉サービスの組織・団体(社会福祉法人、特定非営利活動法人、医療法人など)、福祉サービスの組織と経営、管理、運営 | 7問 |
高齢者に対する支援と児童・家庭福祉制度 高齢者の生活実態、介護、介護予防、介護過程、認知症ケア、終末期ケア、介護保険法、高齢者虐待の防止、バリアフリー新報、高齢者住まい法 | 10問 |
児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 児童・家庭の生活実態、児童虐待防止法、DV防止法、母子及び寡婦福祉法、児童手当法など | 7問 |
就労支援サービス 雇用・就労の動向、労働法規の概要、就労支援に係る国・自治体・ハローワーク・職業リハビリテーション機関などの役割 | 4問 |
更生保護制度 更生保護制度の概要、保護観察官、保護司、更生保護施設、刑事司法・少年司法機関との連携、就労支援機関、福祉機関との連携 | 4問 |
出題範囲を見てわかる通り、社会福祉士試験はかなり範囲が広く、福祉系資格の中でも非常に広く、難易度が高い原因でもあります。
過去問で出題傾向を掴み、優先順位を定めて計画的に対策を行うことの重要性が伺えますね。 社会福祉士試験の出題基準は、令和6年度(第37回)の試験より変更となる予定です。これは社会福祉養成課程のカリキュラム見直しによるもので、試験の問題数や試験時間なども変更となるようです。
社会福祉士・精神保健福祉士共通科目 | |
医学概論 | 6問 |
心理学と心理的支援 | 6問 |
社会学と社会システム | 6問 |
社会福祉の原理と政策 | 9問 |
社会保障 | 9問 |
権利擁護を支える法制度 | 6問 |
地域福祉と包括的支援体制 | 9問 |
障害者福祉 | 6問 |
刑事司法と福祉 | 6問 |
ソーシャルワークの基盤と専門職 | 6問 |
ソーシャルワークの理論と方法 | 9問 |
社会福祉調査の基礎 | 6問 |
社会福祉士専門科目 | |
高齢者福祉 | 6問 |
児童・家庭福祉 | 6問 |
貧困に対する支援 | 6問 |
保健医療と福祉 | 6問 |
ソーシャルワークの基盤と専門職(専門) | 6問 |
ソーシャルワークの理論と方法(専門) | 9問 |
福祉サービスの組織と経営 | 6問 |
また、試験科目は従来(上記)から大きく科目名が変更されるため、戸惑う方も多いかもしれませんが、受験生全員が同じ状況ですので、試験実施団体からの情報を敏感にキャッチしつつ、確実に対策を進めていきましょう。
上記のカリキュラムは「予定」として公表されているものであるため、今後の情報についても要チェックです。
社会福祉士試験の過去問
社会福祉士試験は、多肢択一または択二式の筆記試験であるため、問題文をよく読んで選択肢を「1つ」選ぶのか「2つ」選ぶのか、注意しましょう。
ここでは、令和4年度(第35回)社会福祉士試験の過去問を紹介します。
社会福祉士試験は出題範囲が広いことが特徴で、介護・福祉系の国家資格の中でも非常に難易度が高い資格です。
そのため、いかに過去問から出題傾向を把握し、解答への流れや思考の方法に慣れておくことが重要となります。
過去問演習は、できる限り早い段階から計画的に進めていくことが重要なため、仕事や学校の隙間時間を活用して問題演習できるスマホアプリやWeb学習サイトをうまく利用することがおすすめです。
当社Gakkenが運営する「過去問研究所@Candyz」は、アプリのダウンロードや会員登録は不要で、サイトにアクセスし1クリックで過去問演習を始められるWeb学習サイトです。
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社会福祉士試験の過去問や解答解説を掲載するサイトは多々ありますが、試験実施団体に正式な許諾をとり、著作権法に準じた運営を行っているのは「過去問研究所@Candyz」のみです。
社会福祉士試験の合格に向けて、ぜひ一度利用してみてください。
試験合格〜社会福祉士として働くまでの流れ
社会福祉士試験合格後、実際に社会福祉士として働くには、資格登録の手続きを行い、登録証の交付を受ける必要があります。
手続き方法について詳しくみていきましょう。
1, 登録資格要件を有していて、欠格事由に該当していないか確認する ●社会福祉士の登録資格要件 社会福祉士国家試験合格者 ●法令に規定された登録欠格事由 詳しくはこちら →欠格事由(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター公式HP) 2, 必要書類等を簡易書留で提出する ●提出書類 ①登録申請書(登録免許税15,000円分の収入印紙を貼付) ②貼付用紙(登録手数料4,050円の「振替払込受付証明書(お客様用)」を貼付) ③下記ア、イ、ウのいずれか1通 ア 戸籍抄本の原本、イ 戸籍の個人事項証明書の原本、ウ 本籍を記載した住民票の原本 (外国籍の方:国籍等を記載した住民票の原本、またはパスポート等身分を証する書類のコピー) →提出書類一覧(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター公式HP) 3, 試験センターで受理、審査、登録簿に登録 4, 登録証の交付 1ヶ月程度で登録証を発送(不備があれば不備解消後から1ヶ月程度) |
まとめ
社会福祉士の仕事や就職先、試験の概要、難易度などを解説してきました。
社会福祉士は、偏差値でいうと一般的にも難しいといわれている宅建士と同じくらいの難易度で、介護福祉業界の資格の中でも難易度はトップクラスの資格です。
出題範囲が非常に広く、対策に苦しむ受験生も少なくありません。
そこで、やはり重要となるのは、いかに過去問をやり込むかどうかです。
仕事や学校など、日々の生活の隙間時間や通勤時間などを有効的に活用して、アプリやWebサイトの力を借りて少しずつ計画的に演習を進めていくことをおすすめします。
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社会福祉士試験の受験を考えられている方は、ぜひ一度お試しください。